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私はあの日以降、
表面上とは裏腹な心の声を聞けるようになった。
相手と目を合わせた瞬間、頭の中に心の声が響く。
事情聴取に来た警察
見舞いに来た友人
調子を見に来た医者
すべての人間の本心とも呼べる心の声が聞こえるのだ。
私は人間の暗黒の部分を垣間見て気分が悪くなった。
それ以降、
たくさんの人々の本心を見てきたのだが、これほど凄まじいものはない。
言葉とは正反対の嫌悪の感情
人に対する憎悪
私は次第に人と距離を置きはじめた。
この魔の時間から逃れようと部屋に閉じこもった。
だが数日後
部屋を出ると
心の声が聞こえにくくなった
その変わり人々は仮面を被っていた
祭かなにかかと思った。
しかし、それは人々の暗黒の心を映し出した鏡だった。
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