少女との出会い

2/3
前へ
/18ページ
次へ
遥歌『…?』 (カイがこっち見てる…?) 遥歌『な、何?』 カイ『…、…別に。』 遥歌『…?』 メイ『…カイ、家、帰る。』 カイ『あ、あぁ、そうだな。じゃあ行くか。』 遥歌『家?家って…メイちゃんの家?』 カイ『あぁ。』 私とメイちゃん、カイは人が少ない商店街をまっすぐ進む。 遥歌『…ねぇ、…二人は兄妹なの?』 カイ『違う。』 遥歌『え?じゃあ…、いとことか?』 カイ『血は繋がってない。赤の他人だ。』 遥歌『…え?じゃあなんで一緒に暮らして…ぶっ!?』 カイが私の目の前で急に止まる。 (な、なんで急に止まるのよ…!!) カイ『ここだ。』 遥歌『え?』 カイが指を指す方向を見ると、オシャレな店があった。看板に“crown”と書いてある。 遥歌『可愛い店…。商店街なんか来たことなかったから、こんな店知らなかったわ…。』 カイ『商店街に来たことがない?買い物とかに来ないのか?』 遥歌『…うん。…私は三年前から、無断で外出することを禁じられてて…ね。』 カイ『…ふぅん…。』 遥歌『…。』 メイ『………遥歌、苦しい?』 遥歌『え?』 メイちゃんが私の手を握る。 メイ『………遥歌の手は温かい…、…どうして?』 遥歌『え?どうして…って…そりゃあ生きてるから…。』 メイ『生きてる?』 遥歌『うん。』 メイ『…。』 メイちゃんは首を傾げる。 メイ『…私の手は冷たい。』 遥歌『え…。』 確かに、メイちゃんの手はひんやりと冷たかった。 メイ『…私は、生きていない?』 遥歌『いや、生きてるよ。』 メイ『なぜ?』 遥歌『なぜって…。そんなの当たり前…』 カイ『…。』 メイ『私は、生きてない。』 遥歌『…え…。』
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加