~EOD War~

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鉄製のドアが開き、前の兵士に続き中へ入る。 ドッン と衝撃が体を襲う 戦闘工兵小隊 EOD(爆発物処理班) [工兵小隊作業場] 前日 角田が作業台で爆薬に雷管をねじ込んでいると、対面に座る蜂谷軍曹がこちらに視線を向ける。 「角田はなんでEODになりたいんだ?」 一瞬手を止め答を考える。 (蜂谷軍曹みたいになりたかったからです) 再び作業を始め 「なんか爆弾処理って格好よさそうだと思ったので」 (昨日まで自分がEODにならない理由を聞いていたのに何があったのだろうか?) 視線を上げる事なくそう返した。 「それなら尚更行けよ、お前なら十分に行けると思うぞ」 (まだ蜂谷軍曹の側で仕事がしたいんです) 「なんか、どうせ行くなら良い成績を残したいので」 そこで、視線を向けると 「まだ、大丈夫です」 (本当の事はしばらく言えそうにない) 「EOD教育に参加したくなったらいつでも言えよ」 「了解しました、ありがとうございます」 そして、再び作業を再開した。 体の力が抜け 地面が近づく 戦闘工兵小隊 EOD(爆発物処理班) [都内某所] 半年前 「あ~暑いな」 目の前に対爆スーツを脱ぎ項垂れる蜂谷3等軍曹の姿があった。 (爆発物の教育なんて受けてないのに、何故ここに居るのだろう?) 「な~角田、お前はEODに興味ないのか?」 蜂谷3等軍曹は手で首もとを扇ぎながら質問をしてくる。 「別に興味ないです」 「そうか~」 残念そうにうつむく姿を横目で見ながら資材をハンビーに積み込む 「夢のある仕事なのにな」 (この世界にそんな仕事ある訳ない) 「なぜです?」 「今日のIEDが爆発したらどうなってた?」 「家が2、3軒吹き飛んだんじゃないですか?」 「誰も住んでいない空き屋だ、それでも誰かの思い出の詰まった場所かもしれない」 気が付けば蜂谷3等軍曹は真面目な顔で話していた。 「銃を撃つことだけが守る手段じゃない、そう思うと夢のある仕事に思えないか?」 「自分には…分かりません!」 (この人はそんな事を考えて仕事をしているんだ) 「イーオーディー」 誰にも聞こえない程の声を出す。 (目指すのも悪くないかもしれない) そう思うと笑顔になった。 床に倒れ 天井を見る。 (いつか、貴方の様に…)
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