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特殊任務支援隊
第1小銃小隊:第1分隊
[新宿駅付近]
…ロメオ12、ロメオ11目標建物到着、西側から突入する…
「突入しろ、東からロメオ12も突入している、有軍誤射に注意」
永里軍曹が無線の後、空かさず命令を出す。
それを聞いて扉に張り付けたchargeの信管を作動させ位置に着く
ドッーン
爆発音と共に扉がひらき隊員が次々と入って行く
パッパッン パッパッン
パパパン、パパパン
ドッン、ドッン
それに続き中へ入ると激しい銃撃戦が始まっていた。
だが敵の規模は予想より小規模だったようで、次々と部屋をクリアリングして行き、戦車から見える方向の窓から青いテープを垂す(室内の制圧を示す為のもの)。
その後、戦闘は十数分で終わり後続小隊が来ると引き続きを済まし、第1小隊は外で合流をする為1階を目指す。
階段を下り、角を曲がると、数名の隊員が非常口に集まり何かに視線を集中していた。
(第2分隊の隊員だな)
各隊員の視線の先を見る。
「ふぅー」
息を吸い
鼓動が高鳴り、視線の意味を知る
「角田」
何をすべきかは分からない
仰向けに倒れる角田の傍らには隊員の姿があった、確か高橋と言う女性の衛生兵だ。
その姿を見れば理解するまでもない
"蜂谷3等軍曹、どうぞ"
角田から差し出された青色のドリンク
「なぜ?」
「突入した瞬間に頸動脈を撃たれ即死だった」
他の隊員が説明してくれたが、自分が求めた回答では無いのだろう。
視界が滲む
「なぜ?」
もう一度繰り返すが誰も答えてはくれなかった。
[旅団戦闘団所属基地]
その後、作戦は"無事"に終わり
基地に帰ると、木箱に包まれた角田の元へ行き
「すまない、さようなら」
と伝え、蓋を閉じ
畳まれた日本の国旗を添えた。
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