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他を圧する黒いオーラにも臆した様子も無く平然と――むしろ偉そうに不平を洩らす中年男性に、玉座の主は狼狽する。
「貴様……私が魔王だと知ってて――」
「魔王だか何だか知らないが、困るんだよ君ィ~!」
魔王の言葉を遮って、中年男性は言い募った。
「こんな所に居座られちゃあ困るんだよ、君! これは不法占拠だよ? 分かっててやってるのォ?」
皮脂で滑る眼鏡を持ち上げて、中年男性は声のトーンを上げる。
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