朝の七分占い

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 俺は彼女が好きだった。  いや、現在進行形で好きだ。でも嫌いだった。すまん、現在進行形で大嫌いだ。  電波だし、強引だし、肝心な事は言わないくせに変な事は言いまくるし、かっこ付けたがりで見栄っ張りで素直じゃなくて、シャーペンの後ろの消しゴムを勝手に使って取り出せなくしたり、嫌いな食べ物を俺の皿に移したり、わざと電子レンジでゆで卵作ろうとしたりでもう最悪だ。  悪い所なんて、それはもう掘れば掘った分だけ沸いて出てくる。それは向こうも同じだろう、最近彼女が俺の名前を呼ばなくなったのもそんな理由があるのかもしれない。  なんか変なあだ名で呼んでくる。  『少年D』とか『男子高校生D』とか何故かD呼び、俺の名前にDは一切つかないのに、謎過ぎる。  話がそれた、とにかく、俺は彼女の事が嫌いで、彼女も俺の事が嫌い。  さらに言うなら俺は彼女が好きで、彼女は俺の事を……よくわからないが一応好意的には見ている、って事だ。  そしてさらにさらに言うならば、俺には恋人がいたのだが彼女との関係で一悶着あったりして大変だった。  とは言え、もう別れたんだけど。  理由として挙げるならば、好きだったけど、嫌いにはなれなかったから。 すまん嘘だ、フられたんだ。  俺だって好きなろうとしたさ、嫌いにもなろうとした。  でもそれは無駄なあがきで、それでも平静を装い付き合っていたのだけれど、何を察したのか、一昨日フられてしまい傷心の俺。  意味がわからない?  話にまとまりがない?  なんとでも言えばいい、これは誰でもない、俺の物語だ。申し訳ないがここは俺のペースで行かせてくれ。  そう、これは彼女と反対に位置する俺の物語。  好きな子に名前を呼ばれない、哀れな少年Dの冒険活劇だ。  なんて、冗談だよ。
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