冬の記憶

冷めた日常

「さーとるちゃん」

学校へ徒歩で通う途中後ろから肩を叩かれた。

さっき友達はいないと言ったが一人だけいた。

それはこいつ、相田葵(ｱｲﾀﾞｱｵｲ)だ。

女みたいな名前に似合い顔立ちが女みたいだ。

外見は俗に言うチャラ男。

校則で禁止されているピアスをしていたり、髪は色を脱いているのか薄い茶色。

服装もブレザーを着崩しており指や腕には指輪やブレスレットを身に付けている。

こいつとは腐れ縁のようなもので小、中、高と同じ学校に通っている。

「なんだよ朝からうっとおしい」

といつものように冷たく言うと葵は

「つれねーなー」

とズボンのポケットに手を突っ込みながら隣を歩き出した。