Episode 01 Introduction

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「チン・・・」 と短い音と共に、城戸一樹を乗せたエレベーターは目的地の五階へと辿り着いていた。 一瞬後にエレベーターのドアが開き、一樹は数件の飲み屋が軒を連ねる通路へとゆっくりと歩きだした。 数件の店の入口を通り過ぎた後に、一樹は目的の店へと辿り着いた。 《Unison ユニゾン》 と言う看板をちらっと見た一樹は、看板の下にある木製の扉を、いつものように慣れた手つきで開いていた。 「カラン・・・・」 とドアベルの音が響いた後 「いらっしゃいませ~」 と若い女の声が一樹を出迎えた。 一樹はいつもの様に声の主へと片手を上げて挨拶し、誰も客が居ないカウンターへと腰を下ろした。 「よお!・・・相変わらず暇そうだな」 と自分の酒の準備を始めた、白いワイシャツにホットパンツ姿の女へと軽口を叩いた。 「そうだね、まぁカモが葱しょって来た事だし、今日もしこたま飲まして貰うねッ」 「いやいや・・・遠慮する所だよ?そこは。 てか、麻美チャン、いつもしこたま飲んでるから休肝日も必要だろ?」 と一樹が笑顔で諭す様に答えるが 「カズ君さぁ・・・私の楽しみ・・・邪魔しないよね?」 とニヤリとした笑顔を浮かべて答えるのは、いつもの麻美であった。 「ハイハイ、邪魔しませんから」 と一樹は苦笑を浮かべつつ、麻美が用意したグラスへと一樹は口を付け、グラスの中の琥珀色の液体を軽く流し込んだ。 「私も貰っていいですかぁ?」 とキラキラした光を浮かべた、わざとらしい上目遣いで、麻美は自分の飲む酒のおねだりを始めた。 「ってかさ、んな事しなくても、君飲むじゃん」 と一樹もわざとらしい笑顔浮かべ麻美に答えていた。
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