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「いや、似てるってゆーか
…雰囲気が同じ?
あっ、雰囲気だ!!」
さっきまでの眉間の皺もなくなって、まるで欲しいおもちゃを手に入れた子供みたいな赤西さん。
「はぁ…。」
ちょっと困惑した様な俺を見て
赤西さんはちょっと照れた様な顔をした。
「…何かごめん。
たまに我を失うってゆーか。」
へへっと笑って鼻をこする仕草。
―パチン。
ほえ?
…今、胸の中が弾けた。
今までにない感じ。
なに、これ。
―赤い実はじけた。
ふと小学生の頃の国語の教科書に載っていた話を思い出した。
まーじーで!?
(いや、ないから!!
そんな初恋のドキッとかじゃないから!!)
「大丈夫?」
「うぎゃあーー!!」
顔を上げると、ドアップの心配そーな赤西さんの顔。
(ち、ちげー。
恋とかじゃなくてっ!
ただ、驚いただけだ、うん。)
必死に自分で自分を落ち着かせていると、赤西さんが口を開く。
「お前面白いよなぁ。
間抜けな顔してると思ったら
真剣な顔でなんか考えてるし。
…名前なんてゆーの?」
そーいえば
俺の自己紹介まだだったなぁ
なんてボンヤリ思う。
「え、と亀梨和也です。」
ぺこり、と頭を下げる。
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