74人が本棚に入れています
本棚に追加
受からないと言われていたキャバクラだったが
さすがにその新宿でいちばんランクの低い店は受かった。
来週から働くことがきまり、
求人担当者のスカウトマンからも
「よかったね」
といわれた。
そのスカウトマンとは
その後プライベートで
誘われて一緒に食事にいったりした。
人を疑うことを知らなかった
18歳のわたしは、
家の事情、水商売をしようと思ったきっかけを
全部スカウトマンに話した。
するとそのスカウトマンも小さいころは苦労したらというはなしを聞いた。
彼は母子家庭で高校の頃に親が恋人をつくって出ていってしまって、
それから一人で暮らしてるという。
彼は苦労をしてきているでわたしの気持ちに共感してくれた。
誰にも頼れなかったわたしは
彼を頼るようになった。
わたしたちは付き合いはじめた。
が、おかあさんがそれを許してくれなかった。
わたしはお母さんにボロカスにいわれた。
「水商売をはじめて…次は男かよ…あんたなんか不良娘もういらない」
お母さんにいわれた言葉はそれだった。
わたしがいままでどんなに辛かったか…
お母さんのせいで
どれだけの人から恨まれて…
わたしはお母さんと家を助けたかっただけだった。
普通になりたかった。
普通の暮らしをしたかっただけだったのに。
誰かに甘えたって
頼ったっていいじゃない…
お母さんはそれすらも許してくれないのか?
わたしはお母さんと大喧嘩をした。
そして家をでた。
彼の家にわたしは行った。
彼の家はうちの実家から2時間かかる関東の近辺だった。
彼は「うちに住んでいいよ」といってくれた。
わたしは知らない土地で彼と同棲をはじめた。
そこは新宿までも一時間ちょっとかかるところだったけど
わたしは週6勤務で新宿に通い、
休みの日は彼と過ごした。
わたしは仕事を一生懸命がんばった。
ナンバーにも入ったがそこの店でナンバーに入ってもお給料は低かった。
24万くらいだった。
そこから
食費を払い、お母さんに借りさせられた友達から借りた借金も返しつつ、なんとか生活した。
最初のコメントを投稿しよう!