―壱― 花火

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蒸し暑い夏の夜 カランコロンと響く 下駄の音 昨日も一緒に過ごして 今日も一緒に同じ朝を迎えているのに 隣ではしゃぐ君の姿を直視できない僕 「ねぇっ!花火、楽しみだねっ!」 無邪気に笑う君 「うん。」 照れ隠しに素っ気なく返事をする僕 「浴衣。似合うね! 夢だったんだー!好きな人と 浴衣で花火デート! 叶えてくれてありがとう!」 本当に嬉しそうに微笑うから 胸の鼓動がうるさくて 君の手をギュッて握って 夜の河原に向かって歩いた
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