―壱― 花火

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ドドーン ドンドンドン 次々に打ち上げられる花火が 夜空を華やかに彩る 間近で見る花火は、本当に綺麗で、今にも落ちてきてしまいそうで ただただ、見入っていた 一瞬で消えてしまう儚さと 目に焼き付いて離れない美しさに…。 「綺麗…」 君は、大きな瞳に涙を溜めて そう呟いた 「泣いてるの…?」 「感動の涙だから、大丈夫」 そう言って微笑んだ君が 花火のように美しくて そして 儚くて 僕は、君をきつく抱き締めたんだ 消えてしまわないように きつく きつく …
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