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長い長い全校集会を寝て過ごすのは生者としての理である。
起きていたのは新入生行進の時ぐらいで、その中に可愛い女の子はいねぇが、と自発的に目が追ってしまっていたからなのか俺の眼力はエネルギーを使いきってしまった。
校長先生、無念である。
不覚にも、背丈は平均的な、細いわりにはすらっとしていて型にはまった、これまた容姿が良い奴にパッと目が向かってしまっていて、よく見なくてもわかるようにそれは実の妹である夏そのものであった。
「あれかい?妹さんは?」
永海も俺のマヌケな顔に気づいたのか訊いてきた。
ちなみに、運が良いのか、日頃の行いを七福神様たちが見ていたのか、非常に僥倖なことに永海と御古島と同じクラスに配属された。
二列に並んだとき、俺と永海はとなり同士になる。
俺と友達になるほど珍妙な二人がまたしても同じクラスになるということは、これからも俺に輝かしいスクールライフを与えてはくれないようで、その全ては永海の方に回っていき、あまつさえ数少ない機会を、御古島という疫病神に無意識にもみ消されてしまう。
実際、神様は俺を使って遊んでるんじゃないだろうか。
いつだって俺には損な役回りだけで、指を口に何本くわえればよいのだろうか。
まぁ、愚痴ならいつだって言える。
「あぁ、そうだ」
だいぶ遅れて永海に言う。
永海はそんなこと気にしなかった。
「やっぱりそうか。いやはや、どこか雰囲気で似ている気がしたんだよ」
永海が変なことを言った。
「似ているか?」
俺は自分を嘲笑うように言った。
「うん、似てるよ。僕から言えばそっくりだな。なんと言うか、オーラとでも言えば良いのかな。たぶん大体の人たちは君たちの名字が一緒でも他人だと思うんじゃないかな。僕も目と神経を凝らさないとわからないよ」
「それは言い過ぎだろ。少なからずショックを受ける」
「ごめん。ごめん。悪く言うつもりはないんだけども、僕の語彙力の不足のためかな。しかし、とみにそう思えてきたんだ。いや、そうとしか思えなくなったんだ」
こいつはフォローしてるのか、したいのかがわからん。
ここが好きになれず、嫌いにもなれん唯一の短所であり長所なのだ。
俺も何を言いたいのかわからんな。まぁいいか。
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