序章<語り部>

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日本は住みにくい国だ。 それを身をもって実感している。 おそらく、こんな考えは日本国民の中ではとくに異端であろう。 ほとんどの国民は、この国の生活に満足しているはずだ。 日本を飛び出して他国で生活したいなどとぬかす奴はそうそういるもんじゃない。 『日本は四季が折々過ぎる』のだ。 こんな馬鹿な回答する輩は、寒いのが耐えられないのぉ、とか、汗はかきたくないのぉ、と生来温室でぬくぬくと育ってきたリッチと言われ馴れてる糞セレブぐらいだ。 ただ俺はそんな、寒いのが耐えられないのぉ、とかを言い出すのではない。 ただただ『四季が折々過ぎるのぉ』とほざく程度ですむ。 今にして思えば、俺は四季が嫌いなだけで、国に対しては不平はない。 好き嫌いの問題ではない。 食べれないこともないわけではないということ。 いや、これでは話がこじれる。 まぁこんな馬鹿な一人談義を聞き入ってくれて感謝する。 これから話を進めるうちで、今までの会話がどれほど無駄であったかはすぐに知る。 これは日記でもなけりゃ、エッセイでもない。 突き詰めて答えればリアルタイム更新を繰り返すだけの単調な文章である。
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