2009 4月6日

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淀川高校の二年生へと、何の事件性のものに絡まれずに済んだおかげなのかどうかわからんが。 無事に進級することができた。 これも全て自分の手柄である。 血を吐くような部活も、胸が張り裂けそうな恋愛も、視力が低下する程度の勉強も。 何一つこなさずに惰性に華の学生生活の1/3を手をふって見送った。 確かに胸が張り裂けそうまでとは言わないが、胸が張るぐらいまでの恋沙汰の一つぐらい舞い落ちてきても良かったではないかと思わないこともない。なぁ、神様。 しかし、一番の重要案件は、平和的かつ安全に健康体を維持することにある。 もしも、その恋愛が後の人生にひっかかるようなことでもあれば、俺の精神は不安定に陥り、女性恐怖症などになってみろ。 親に申し訳がたたんではないか。 と、まぁ言い訳してみる。 それに、血を吐くような部活を、といっても文化系の部活なわけで、そんななか血を吐くような事件があれば確実に病気的な何かか、部員が俺を殺そうと企んでいるわけで。 俺は極めて健康体だ。 勉強も別段猫の手を借りたいわけでもない。 猫の手があっても、凡人たる俺の頭が追いつかない。 ということで、まっさらな砂漠のような学生生活の1/3は守られた。 だがしかし。 今年は去年と同じようにそうそう上手く学生生活を送らせてはくれないようで、それを示すかのように曇天が俺の重い足を引きずった始業式への登校を見届けていた。 ここでの重い足とは精神的な憂鬱が生んだ重さもさることながら、肉体的、物理的な重さも加わっている。 なぜ俺が妹の分の鞄まで持たにゃあならんのだ、と不満をもらすほどに。
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