過去の軌跡と命の重み

舞い降りた女神？

僕の名前は塚佐 博司(つかさひろし)。

最近父が大きな借金を抱えてしまった。
保証人被れ…というやつだ。

そのせいで、普段は温厚な母は常にピリピリしており、たまにヒステリックを起こし…、先日なんて「この金食い虫が！」と、僕に向かってハンマーを振り回してきた。

確かに、公立に落ち、高い月謝の市立高校に通わさせてもらってるから、学歴にこだわらない母にとっては、僕は金食い虫なのかもしれない…。
しかしはっきりと親に言われると、どうしようもなく辛い。

夜は夜で、一緒の部屋で寝ている祖母の真夜中の独り言が酷く、なかなか眠る事が出来ず…最近の平均睡眠時間は、２時間弱だ。

学校はというと…市立は“家から近い学校”という理由だけで選んでいた為、僕の偏差値からすれば、かなりレベルが低かったので、授業を聞いているだけで、学年トップなんかになってしまい、周りから少し浮いた存在になっていた。
その為、高２になった今でも、友だちと呼べる仲の人間はいなかった。

ただただ辛いだけの日々を送る毎日の中で、唯一心安らぐ日課があった。

それは…ジョギングだ。