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運命の春
2050年春、僕はある都市にいた。
高層ビルが立ち並びロボットが自立して動いて、車は空を飛び交っている。
俗に言う未来都市だ。
まさに子供が理想として語り合っているような都市だ。
「本当にこんなことが現実になるのか」
僕は半分冗談じゃないかと思いながら呟いた。正直まだ信じることが出来てない。
その都市は僕が住んでいた40年前の地球とは比べものにならないくらいに技術発達が進んでいた。
そう、僕は40年前の地球からこの40年後の地球にタイムトラベルをしてここに来た。
とても大切な目的を果たすために。
「痛っ」
後頭部がズキズキする。触ってみると少し腫れてきている。どうやらタイムトラベルした際にどっかで頭を打ったらしい。
頭を打った痛みでさっきまでぼーっとしていた僕の思考が現状整理をするために回転し始めた。
そして僕はタイムトラベルの日に起きた様々な出来事を振り返っていた――――
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