遥かなる空翔けし人へ

｢大空への憧れ｣

慶美あんちゃんは、四国の山深い小さな農村で、９人兄弟の長男として生まれた。

私の父とは、実に１６歳も年が離れた兄弟だ。

藁葺きの屋根。

夕暮れに山里に響くお堂の鐘の音。

私がまだ幼少の頃に、よく連れて行ってもらっていた父のその故郷は

その頃もまだ、まるで童謡にでも出てきそうな、慕情を感じさせる村だった。

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