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新月の夜。
微かな星明かりだけが差し込む室内で、王は目の前で深々と頭を下げる男に問う。
「コウよ。本当に第2王子を次代に据えよと言うのか?」
頭を下げた男は苦笑し、視線を上げ王を見据えた。
「王。第2王子が生まれた時に『必ず“鍵”とせよ』とおっしゃったのは貴方だ」
微かな星明かりでも分かる銀色の瞳に自信をみなぎらせてコウは告げる。
「我が主は必ずタツキを選ぶでしょう。世界を終わらせ扉を開く“鍵”の1つとして」
…そう。我が王子が最後の“鍵”となる。その為に精々頑張って生きて下さいね、タツキ…
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