11人が本棚に入れています
本棚に追加
3日前――。
最近俺と彼女の凛はぎくしゃくしていた。
ちょうどその日もそうだった。
だがいつもの凛で、いたって変わったことはなかったように見えた。
いつも通りの帰り道。会話もあまりしないまま、時間だけが過ぎる。
そしてあと少しで凛の家だったその時、隣の存在がフッと消えたことに気付いた。
どこにいったんだ?と振り返るとそこには凛が俯いて立っていた。道路の真ん中で。
そこの道路は決して車通りが多いとは言えないが、さすがに危ないだろうと声をかけた。
「おい、どうしたんだ?そんなところに突っ立って。危ないからこっ「ねぇ」」
凛が俺の言葉を遮り言葉を発する。オレはいきなりのことで注意するのを忘れてしまう。
「……なんだ?」
「私ねあなたのことが好きなの」
どうやらこの関係に堪えられなくなったらしい。
「そりゃあ俺だっておまえのことをす「でさ」」
また遮られる。
「私はこのくらいあなたのことが好きなの」
そう言って自分の手が伸びるまで伸ばして一生懸命に表現している。
「好きで好きで堪らないの!でもね、ここ最近ぎくしゃくしてて……。私それに耐えれなくなっちゃった」
俯く凛。しばらく2人の間に沈黙が過ぎる。
「……そうだな」
突然顔を上げる凛。その目からは涙が……。
「でさ、仲直りのキスしよう?」
「あぁ。わかった」
凛がそう言ったことで落ち着いてきた。そういや、凛が立ってるの道路の真ん中だっけか。
凛の話しを聞くのに夢中で俺は周りの状況を全く把握できていなかった。急いで周りを確認すると、1台のトラックが――。
俺は急いで凛に呼びかけた。
「おい!凛!トラックがそっちに向かってる!速くこっちに来い!」
「え――?」
トラックのヘッドライトが凛に強い光を浴びせる。
やっと凛が自分の置かれている状況に気付く。
俺は手を伸ばす。
「おい!こっちに手伸ばせ!凛!はやくこっちに――」
キイィィィ―――、ドンッ!
最初のコメントを投稿しよう!