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「よっこいしょっと」
青年はベンチに座り空を見上げる、空を見ながら青年はポケットからカードを一枚取り出した。
「今晩は星、見えるかな」
『空に輝く星、ユメト。麒麟星獣リーン』
「俺は困っている人を助ける。ただそれだけだ」
あれ?この人・・・「馬神 弾」?
「――――――――」
何言っているのか聞こえない。
「・・・またこの夢か」
この夢を見るのは何回目であろうか。50回を越えたころから数えるのは辞めていたがこう何度も見たら流石にうんざりする。
しかもこの夢は決まって彼の聞こえない言葉で終わるのだ。
「なんなんだよ・・・まったく」
もう一眠りしようとしようとした時だった。
「返して!」
静かな公園に声が響いた
「この声・・・さっきの」
・・・・・・
「なんだよ!ちっとも大したカードがないじゃねぇか」
「返してよ!僕の大切なカード!」
そう言って魔族であろう大男に先の魔族の少年が泣きながら訴える。
「うるせぇな!言われなくても返してやるよ!こんなクズカード!!」
そう言って大男はカードを投げ捨てた。
「ああ!」
少年は更に泣きそうになりながらカードを拾おうとしゃがんだ。
「ちょっと待ちなよ」
少年の横に青年が並ぶ
「あっ、さっきのお兄ちゃん」
「君が拾いなよ」
「ああ?なんだ、てめぇは」
「そんな事、どうでもいいでしょ?とにかくそれは君が拾うべきだ」
「お兄ちゃん・・・」
青年は少年の肩を持ち笑う
「けっ、文句があるなら力ずくでこいよ?」
そう言うと大男はカードを取り出した
「バトルスピリッツ・・・」
「なんだよ?デッキを出したらどうだい?兄ちゃん?」
青年は実はバトルスピリッツが苦手だ、彼はバトルがどうにも好きになれなかった。好きにはなれないが、
青年はチラッと少年を見る。
どちらにせよこの大男は許せそうにない。
「わかった。やろう」
「待てよ、どうせなら『アッチ』でやらねぇか」
彼の言う『アッチ』という言葉に二人の少年はビクッと肩を震わせた
「わかった。アッチでやろう。」
「ふっ・・・なかなか肝が座ってんじゃねぇか、じゃあやるか」
青年はゆっくりと息を吐き叫んだ
「ゲートオープン、界放!!」
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