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俺はなるべく機嫌を損ねないように、恐る恐る近寄って 「‥宇野さん、本気?」 と耳打ちしてみたが、 「ん?なにが?」 なんて、とぼけるから これは妬かせる為じゃなく、本気で真司郎の家に行く。ってことだと分かって、 なんだか 尚更悲しくなってきた。 「‥‥あ、そうですか」 「?」 全く分かんない様子で、お茶を飲みながら真司郎と会話する彼女は‥俺といるより 可愛いんじゃないか、なんて良からぬことを考えてしまう。 まぁ いつでも可愛いのだが、 こういうとき 俺も妬かせたくなる、なんて思うのはドSだからなのか。 それとも逆に怒られるの承知で妬かせるのはドMだからか。 どちらにせよ、 彼女の俺しか知らない顔を見たくなるのは本能みたいで 「なー千晃」 「なに、」 「今度前行ったレストラン行かない?イタリアンの」 こんな発言に、対しても どんどん顔を強ばらせてくれる宇野さん。 「は、いつの話よ?麻布のこと言ってんなら、行かないから。あそこ不味いもん。」 こんな発言でも 俺しか知らない顔で怒って くれる、宇野さん 「いいじゃん。俺、また千晃と行きたい」 なんて留目をさせば、 凄まじく恐ろしい顔で真司郎に笑いかけてるのが見えて、こっちまで色んな意味で笑ってしまう。 _
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