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あの顔が見たくて、見たくて、
やっぱり可愛いな。なんていつも自己満足で終わる俺。
でもなんとなく、気まずい雰囲気になって笑うのを止めると
直也くんが沈黙をやぶって話始めた。
「‥‥そうだ。明日全員オフだから、久しぶりにみんなで俺の家くるか?」
「直也くんの家、かなり久しぶりだよな?」
「あたし、行く!」
「俺も行ったるわ」
「なに、その急な上から目線(笑)‥宇野ちゃんは?」
「あ、あたしはいいや。」
「そっか、じゃあさ、これそうなら連絡ちょうだい」
「おいっす!」
そう空元気に返事をする彼女にチラッと目線を送ると、
なんか怒ってて、それでいて寂しそうな目をしてる彼女がいて
いつもだったら一番に'行く!'
って乗り気なんだけど、
きっと、俺のせいかな。
後で
謝りの電話をいれなくては‥
ガチャ
「じゃーな、宇野ちゃん!」
なんて言って楽屋から出てみたものの、予想通り。
みんなの視線が俺に集中する
「な、なんだよっ」
まぁ、おどけては見せるけど、やっぱ6年の付き合いは長くて、深いらしく
「にっしー。俺と宇野ちゃんが話してるの見て嫉妬したやろ」
「‥‥‥うっ」
「だからって、あたしに話しかけて宇野ちゃんにも嫉妬させようとしたでしょ」
「‥‥‥うん」
「俺が気をきかせて、家誘ったけど‥やっぱり来なかったなー宇野ちゃん」
「まぁ、西島のせいだな」
「うん」
こんな風に
何もかもお見通しだった。
「俺、」
「まだ楽屋からそんな離れてないけど、どうします?西島君」
「こんなに俺たちが気を使ったのに、無駄にする?西島君」
「‥どうすんねん、」
「‥‥もちろん。姫を迎えに行ってきます」
気づけば、俺は暖かい5人に背中を押され楽屋まで走っていた
後ろを振り返れば、もう5人は玄関に歩き出していて
俺の走る音だけになる。
「‥電話なんかじゃ、駄目だ」
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