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目的地に着き、手紙を片手に地面に置かれている店名及びメニューが記載されている看板を目にする。
モーニングセットやらコーヒーの値段やらの中に、確かに雅という言葉が書かれている。間違いないだろうと判断した彼は自動ではない手動の扉に手を掛けた。カランカランと扉に付いている鐘がなる。
漸く目にした店内の感想と言えば普通、と言った処か。床はフローリング、四人用のテーブルクロスが掛けられた四角いダイニングテーブルが四つ、二人用のが二つ。カウンターテーブルもあり、その向こうにはキッチンと思える場所で、店員と思える人がせっせと働いている。二十畳いかないかの広さである。こんな隅っこに顕在する店としては、予想通りといえようステータスである。
否、目立たない店としては、レベルは高いかもしれない。
御客は四人用テーブルを利用している叔母さんたちと二人用テーブルを利用している天城より少し年上感がするお姉さんの二グループだけだ。
持て余した三十分を消費する術を考えながら、お姉さんに倣う様に二人用テーブルの椅子に腰かけた。
近くの席を利用するお姉さんが音に反応してチラリと此方を見る。目が合ってしまったので、何となく会釈をした。無視して、すぐ目線を外したが。
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