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「ってことが、昨日あった」
「へぇ、それは散々だったね。灯りが急に燃えるだなんて、是非とも見てみたいものだよ。総司君、写真とかは無いのかい?」
昼休み。彼が通う学校での出来事。及び、次の日である。
互いに机を面と面に向い合せ、彼と彼女は雑談を交えながら弁当箱の中身を口に運んでゆく。
雑談というよりかは、一方的な愚痴に近い。二、三本毛がはねた整えられてないボサボサな黒色の短髪。細い眉に、艶やかな唇。肌は比較的白く、眼は凛々しくあり、それでいて可愛さを残すやや大きめの目。なんだか控え目な男らしさがあるが、平均的には可愛い顔立ちだ。飛びっきりではないのが、ミソである。普通である彼には丁度良いのかもしれない。
そんな彼女の名前は、『上代愛人』。
字こそは女の子らしいものの、音読してみると酷く男らしい名なのは何かの因果か運命か。不思議なことに彼女のイメージ通りになったのだ。
女々しさを感じられないボーイッシュなのが特徴の女生徒もとい彼の友人は、昨日のシナリオをフォトかムービーで再度再生することを要求するが、それは不可能なのだ。
これを撮ろうとかそんな発想は毛ほどにも無かった彼は「ああ、なるほど」とそういう着眼点もあるのかと感心してさえもいる。
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