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四対一と言う明らかに武坂の方が不利な状況なのに少しの時間で上にあった二人の手は下に行ってしまった。
そして最後にはダンッ!と言う強く叩きつけられる音で腕相撲は終わった。
「……じゃ、お前等二人な」
武坂が手を離し、机には村山と南波の両手が乗せられたまま。
当の本人たちは机に突っ伏したまま大きく肩で息をしていた。
「まっ……! 待ってよ武坂さん! おかしくないそれ!?」
勢い良く顔を上げ武坂を見れば疲れの色は一切見えなかった。
「何がだ?」
「何でお前今の状況で勝てるんだよ! こっちは全力で! しかも両手なんだぞ!?」
ゼィゼィと息を切らせながら叫ぶ二人に対し武坂は軽く腕の痺れを取ろうと振る程度で息は全く上がっていない。
「……さぁ?」
「この馬鹿力め……!」
しかしいくらボヤいても圧倒的有利な条件で負けてしまったのだから飲み物を買いに行かなければならなくなってしまった。
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