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「あーこれ帰りも濡れるのかー。傘差せば良かったかな……」
灰色のブレザーは濡れたせいで濃い灰色へと色が変わり変わってない部分がない程。
中に来てたYシャツもブレザーと言う厚い生地のお陰で濡れてないようなものだったがブレザーは行きで濡れてしまったので帰りは確実に酷い事になる事が予想できた。
「とにかく行こうぜ。早く買って早く戻ろう……」
冷たい雨は体を冷やすには十分、二人は小さく身震いしながら自販機のある食堂へと向かって歩き出した。
こちら側の校舎にもそこまでの人が居ないのか無人の建物にただ電気が点いてるだけのような少し不気味な雰囲気を放っている。
覗ける教室はどこにも人の姿が見えず、更には外が雨のせいで暗い分より恐怖感は増していた。
「しっかしココまで人が居ないのもアレだよなー」
食堂までの距離は昇降口からさほどないが短い距離とは言え全く人に会わない事には違和感。
元より学校と言う空間でここまで人が居ない、と言う機会もそうそうないだろう。
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