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しかもこの雨の強さでは傘なんて役に立たないのは目に見えて分かってる事だ。
「仕方ないだろ、喉渇いたんだから」
「……自分で買いに行くっつーのは……」
「勉強、はかどってるのは誰のお陰だ?」
それを言われてしまえば何も言えなくなってしまう。
村山と南波は互いに顔を見合わせた。
「……どっちが行く?」
「いや、だってこの雨の中だろ? しかも傘も役に立たないっつー……」
帰る時に濡れるならまだ諦めはつくがまた教室に戻ってくるのだから濡れたまま勉強するなんて風邪を引く。
「あ、あと三分な」
「しかも時間制限つき!? どこの暴君だお前!」
横でピコピコとゲームをする暴君は一度立ち上がり、ゲーム機を机の上に置くと村山の後ろに回る。
そしてそのまま首に腕を回し───
「誰が暴君だ、誰が」
「お前だおまっ……!」
見事なチョークスリーパーを決めた。
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