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首を絞められてる為に息が出来ず、村山は降参を示すように武坂の腕を叩く。
すると首は解放され、何の障害もなく酸素は喉を通り体の隅々まで行き渡るのが感じられた。
当たり前に呼吸出来る素晴らしさを噛み締めながら村山は一息吐く。
「はい、後二分な」
チョークスリーパーの時間もカウントされてるようで、どうやらのんびりしている暇もなさそうだ。
この暴君め……!と内心叫びながらも早々とどちらが買いに行くかを決めなければ。
とは言ってもこの雨の中外に出たくないしかと言って相手を行かせるのも気が引ける。
悩む二人を見てこのままだと平行線と思ったのか武坂は一つの案を出した。
「じゃあ俺と腕相撲して負けた方行くか?」
「それ俺たち負けるよね!? 勝てる自信ないんだけど!」
一件公平に見える条件だが武坂に腕相撲で勝てる自信など生憎ない。
両方負けると言う意味で言えば間違いなく公平だが。
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