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「そっちは両手で来て良いぞ」
「え、マジで?」
次の言葉で二人の目の色が変わった。
両手でいける……となれば勝てる確率は多少は上がる。
例えそれがミクロ何パーセントと言う物凄く限りなく低い確率であれど上がる分マシだ。
「でも待てよ、それで俺たち二人が勝った場合どうなるんだ?」
「そしたら俺が行く」
つまり二人とも勝てばこの雨の中無駄に濡れなくて済むと言うわけか。
「じゃあやる」
「まだ少しは勝つ見込みありそうだからな」
二人がやる気を出したのを見て武坂は机上に広げられていたノートや教科書を片付けると片腕を乗せた。
南波が両手でその手を掴み──更に村山がその上から両手を重ねた。
「……おい?」
これは予想してなかったと二人を見れば村山は一度大きく頷くと
「これなら一回で済むし俺たちが勝つ確率も跳ね上がるからな!」
ドヤ顔で言い放った。
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