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「お前……
一晩邪魔しないでやったんだ。
つまらねぇ嫉妬なんかしてんじゃねぇよ。」
「うるさい。
お前にはもう騙されない。今までお前が羽海とイトコだなんて俺は一言も聞いた事なかったんだからな。」
「そんな事、お前はとっくに知ってると思ってたんだよ。
だから俺、言っただろ?何で俺が陸兄って呼ばれてるか考えろって。」
「あんな言葉で判るかよっ!?
それに羽海っ!」
えっ?!私?
「あんな拗ねたみたいな顔して、俺と一緒にいるより陸たちと呑んでた方がよかったって事なのか?」
てっきり紘兄と陸兄、二人の言い争いがまた始まったと思いきや、紘兄の怒りは私にまで向いていたようだ。
朝からこんな言い争いなんてしたくはないし。
それに、私を見ている紘兄の顔は怒っている、というよりどちらかというと拗ねているように見える。
これって……
陸兄が言う“つまらない嫉妬”なのかなぁ?
そう思ったらちょっぴり嬉しくなってしまう。
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