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「あのさ、羽海。
昨日も言ったけど、いい加減それ、やめないか?」
陸兄にしかめっ面を送り続けていると、陸兄との間を遮るように紘兄の顔がヌッと出てきた。
「え?何を……」
「何を、じゃなくて。
その紘兄っていうの。
陸と同じ扱いみたいで嫌なんだけど。」
笑顔でそう言う紘兄のこめかみには未だに怒りマークがチラチラと見えている気がする。
えーと……
紘兄の機嫌が悪くなったのはひょっとして、陸兄のせいだけでは……なかった?
「紘兄……じゃ、ダメ?」
チラリ見ると、紘兄は威圧的な笑顔で返す。
「まぁ、いつまでも照れてないで好きに呼んでやれよ羽海。減るもんじゃないし。」
陸兄はそう言うとベッドから立ち上がり、ドアの方へと歩き出した。
そして振り返ると紘兄をニヤリと見据え、指をさす。
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