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…一歩京の町にでると、眩暈がしそうなくらいに騒がしかった。
『…わ、人多過ぎ』
「この町はいっつも賑わっとって明るい。
まぁ、治安悪いのは多少…あるけどな」
治安が悪い…か。
武器装備してて良かったかも。
「…むぅ、まず髪紐買おう」
『………?
あ、この髪ゴム怪しいって事』
「…そう、それ。
どっから来たんかは聞くつもり無いけど、多少は…な。
下手したら新撰組に捕まっちまうやろ」
『最もか。
で、売ってる店はどこ?』
「あそこ、雑貨の店」
指さす先には、少し古びている洒落た商店が見えた。
店に入ると、色んな物が置いてあった。
「いらっしゃい」
会計をする台の横に、綺麗な顔をしたチャラい男が座っていた。
「後で、雪に会っても良いですか?」
「…あぁ、後でな
余り長く合わせられないけどな。
今は寝てるから」
『…雪さん?
お兄さんの妹さん…ですか?』
「あぁ、そんで雪は俺の許嫁なん!」
『……は?(ボー然)』
意外だっ!
いい、い許嫁ッ!?!?
つまり、新之助のフィアンセ?
僕なんか彼氏も出来た事無いってのに…
「所で、今日は他にも用あんだろ?」
「…そうそう、今日はこの人の髪紐を買いに来たんです!」
『…指さすな( ゚∀゚)
んと、赤の鈴が付いた奴有りますか?』
そう聞くと、「あ~」と困った顔をした。
「御免な、今桃色と水色しかねぇんだわ。
桃色か水色でもよろしければ両方もってってよ、嬢ちゃん」
バレてる…
「…結ってやるよ、どっちが良い?」
『桃色で…』
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