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『…一月の間、お世話になりました』
「…ほんにええの?
壬生浪士組は男所帯やのに…」
『…ありがとう、でも決めたから』
文久三年、4月5日。
決意を固めた日から一週間、幕末にタイムスリップして約1ヶ月。
…あれから、僕は2人に未来から来た事を話した。
たまちゃんも新之助も、余り驚かなかった。
やっぱり、浪士組に入ることは反対はされたけど。
それでも、会った事無いけどきっと勘違いしてるだけ、ヒドい人達じゃないと思う。
悪者なんて存在しないから。
何より、僕自身そう信じたいから。
残りの日数の間に新之助の稽古は詰め込みつつ持てるもの全て教えて、
たまちゃんに着物の着方やら文字の読み書きなど、幕末に必要な知識は(分からない所だけ)教えてもらった。
充分に準備は整った。
『…それじゃ』
「また、遊びに来てな!」
「何時でも戻って来いや」
『…うん!』
僕は、2人の姿が見えなくなるまで手を振った。
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