幕末の京

5/5
前へ
/47ページ
次へ
『僕は此処に恐らく存在してない、幽霊って訳じゃないけど。 でも僕の居た世界では、朝霞美生は死んだ事になってるかもね』 思うと、この一言滅茶苦茶自傷してるなw 「…そないな悲しい事言わんとって!」 見ると、たまちゃんは目を潤ませている。 そして、僕の手をとった。 「美生ちゃんは温かいよ、だって血通ってるもん!! 生きてる証拠やし此処に存在してるって事ちゃうのっ…?」 たまちゃんの優しい言葉にキュンときた僕は、彼女を抱きしめた。 『有り難う… もう、僕平気だよ?』 「良かったぁ…」 涙を流し、笑う。 たったそれだけなのに、誰から見ても美しく、健気だった。 ―そして、たまちゃんはそのまま寝てしまった。 『…う、かか、可愛いっ…! 寝顔癒されるぅ…!!』 キュン死しそうになり悶絶する横で、新之助君が呟いた一言は、衝撃的だった。 「はあ、珍しいなぁ! 姉ちゃん、信頼出来る人の側でしか寝ぇへんのやで!」 『…え、それ本当? だったら凄い嬉しい…///』 僕は、顔を上気させた。 . . .
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加