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――近頃、同じような夢を毎晩のように見ていた。真っ暗闇の大地で、一人の少女の最期を看取った後、その少女によく似た容姿の誰かが、少しずつではあるが日々近づいてくる。顔は、黒い靄のような何かでいつもフェイドアウトしていた。 ユメの中の彼女がある程度まで距離を縮めた時、ふと気付く。少女は泣いていた。どうして思い出さないんだ、と。 忘れたことすら忘れてしまったのだろうか、自分はなにも思い出せない。
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