騎士道精神

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「あの小童に出会えた事やこの戦に参加できた事、老体ながら最近は愉快な事ばかりじゃな」 カイザルが戦斧を振りかぶりながら迫り私はそれに対して身構えます、やはり体格の差と腕力の差は明らかでしたから。 選択肢を間違えれば私の体はあの巨大な戦斧の錆びになるでしょう、私に向かってくる間にも戦斧を振り回し周りの兵を引き裂くカイザル。 その姿はとても人間のそれとは思えませんでした、降り注ぐ血の雨も意に介さず彼は迫ってきます。 振り下ろされた戦斧は私の想像よりも重く私の足が地面に埋もれる程、たった一撃受けただけなのに手足が痺れてしまいましたよ。 「ほぉ、ワシの一撃を受けきれるとは流石はメビウスの将、だがまだまだ甘いな小娘」 その瞬間私のお腹に強烈な一打が入り私は吹き飛ばされました、なんとか踏み止まり私が顔をあげると目の前にはあの戦斧。 私が大剣を使って戦斧を弾き飛ばすとカイザルはそれを見て手を叩きます、おそらく彼は戦斧を私に向かって投げたのでしょう、それでなければいきなり戦斧が現れた理由がつきません。 「カッカッカッ、見事じゃ見事。 大道芸を見ているようで中々楽しいではないか、そう思うじゃろうエリス=ヴァレリア」 この御老体は本当に人間なのでしょうか、戦場の真っ只中で笑いながら拍手する彼に私は考えてしまいましたよ。 .
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