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平和的交渉の上で、俺との上下関係は決まったね。おめでとう!見事、エリス=ヴァレリアちゃんは、忠犬ポチへと進化したのです。やっぱり、大抵の事は話し合えば、大体解決するんだね。
「ほら、早くしないと、次の爆発が起きちゃうよ。
ちゃんと案内したら、ポチにもご褒美、奮発しちゃうからさ」
目の前のポチを見ながら、俺は優しく声をかける。ただ、この城の中に入ってから、ずっと違和感を感じてた。それは、俺だけではなく、ポチも同じようでさ。
だって、俺達が城の中に入ってから、誰にも出くわさないんだよ。普通、護衛の兵士だとか、近衛兵がいるものなのに、誰もいないなんて、絶対おかしいよね。
確かに、天才にして、最強である俺が来たんだから、逃げたくなる気持ちもわかる。だけど、一人もいないなんて、どんだけ人望がないんですか。
しかも、兵士だけじゃなくて、城に仕えている筈のメイド、それもいないとは、ハッキリ言って舐めてるよ。ふざけんな!遊びじゃねんだぞ!許さねえからな!
思いつく限りの罵声、暴言を言ってやったさ。ちなみに、ポチが可哀想なものを見る目で、俺を見たけど気にしないね。
これじゃあ、王様を殺した後のプライベートタイムがさ!メイドさんとのニャンニャンタイムとか、女性騎士さんとのハッスルタイム、俺の癒しがないじゃないか!
取りあえず、目の保養は怠らないよう、ポチのヒップラインでも見ておこう。その美しいラインに、思わず見とれちゃうよ。だけど、それも彼女が急に立ち止まって、振り返ったせいで、中断する事になっちゃった。
「ん?どうしたの?」
中々動こうとしないから、一応聞いてみたんだけど、その答えには正直困ったね。本当に真面目というか、こんな状況なのに、自分の立場わかってるのかな。
「やはり、私には選ぶことなんて、天秤になどかけれません。
国王様を売ることも、仲間を見殺しにすることも」
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