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索敵魔法の展開により、城の中の気配を探ります。これだけ大きいと、ちょっと疲れるけど、少しは頑張らないとね。
まあ、最初からそうすれば、簡単だっただろうけどさ。でも、大前提として、俺って面倒な事が嫌いだもん。だって、凄い疲れるし、もしもの時のために、体力は残しておきたいじゃん。
「なるほど、意外と近いじゃないですか。
ポチの奴、ちゃんと案内してくれたんだ」
おかげさまで、王様を見つけるのに、そう時間はかかりませんでした。正直、ポチがちゃんと案内してたのは、俺も驚きましたよ。なんていうか、本当に律儀な人だね。
取りあえず、王様とディープな話もしたいし、ここからは急ぐとしよう。着くのが遅すぎて、俺の魔法のせいで、瓦礫の下敷きになったら、とっても困るからね。
口笛を吹きながら走る俺は、さながら死神だろうね。さっきの索敵で、城に数人しかいなかったのは、ちょっと不思議だったけどさ。だけど、そんなのは別に問題じゃない。
「さぁて、そろそろ、王様と感動の御対面ですよ」
実は俺って、この城の中の構造について、少しばかり知ってるんですよ。だから、見つけてしまえば、後は簡単なわけです。索敵で見つけた一室、俺はそれを蹴破りました。
理由はなんとなく、そっちの方が雰囲気あるかなー……っとか、思っちゃってさ。一応、紳士のエチケットとして、ノックは三回しましたけどね。
「全く、ノックしたんだから、返事くらいしてよ。
ちなみに、一応聞いておくけど、あんたがこの国の、国王様でしょうかね?」
「なにを今更、わかって聞くとは人が悪い奴だ。
メビウス国王、デューク=ゼリスとは、如何にもワシの事じゃよ」
「よもや、こんなにも早く、ここまで来るとはな。
余は、其方の事をどう呼ぼうか。賊と呼ぶべきか、はたまた勇者と言うか」
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