王様殺しは考えようby勇者

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「そもそも、いくら強いと言えど、賊が一人ならば、十分勝機はある筈です」 「いやいや、扱い方が少し酷すぎでしょ。 一応、こう見えても、俺って勇者なんですけど……ね?」 「黙れ!そのような戯言、我が父をたぶらかすな! 父上、あのような妄言に、耳を貸してはいけません」 完全に賊扱いだ。これじゃあまるで、俺が悪者みたいな、そんな感じじゃないですかね。まあ、確かにここに来るまで、色々アグレッシブな事もしたけどさ。 「ここをどこだと、ワシを誰だと思っておる。 この件に関して、お前は知る必要もなければ、口出しできる立場でもない」 「セシル、下がっておれ。自分の立場を忘れるな。 これは私と、そして彼の問題なのだ」 「父上、その言葉は到底聞けません。 私は幼少の頃より慕い、父上を尊敬してきました」 「この国の繁栄や、民の事を一番に考え、率先してきたのは父上です。 父上がいなくなっては、この国は途端に成り立たちません」 おーい、俺を放置して、勝手に喧嘩とか止めてよ。なんか気まずいし、その間に俺が入っても、絶対なんか言われそうだ。 でも、この国の御姫様なら、俺がここにいる理由、それを知る権利はあるよね。一応、俺の愛人候補だし、話も進まないからさ。 「先日の軍事侵攻、メビウスがエルフの里に行ったそれだよ。 それが全ての始まりで有り、俺がここにいる理由さ」 「御姫様、貴女も知っている筈だ。先々代の国王と、エルフの長老が結んだ不可侵条約。 それを、国王様は一方的に破ったんだ。だったら当然、罰を受けないといけない」 「メビウスの軍事侵攻により、エルフの里が幾つも滅んだんだ。 その責任は王様に、国王様に取ってもらわないと困る」 .
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