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何人も殺された。エルフの民が一方的に、理由としては十分でしょうよ。メビウスの民に取っては、たぶん良い国王だったんだろうね。
だけど、王様は判断を間違えた。約束を破ったら、誰であろうと、その罰を受けないとね。そもそも、御姫様は勘違いしてる。
メビウスに取っては立派な名君でも、エルフからすれば、彼は立派な暴君なんだよ。
「なにも知らないくせに、よくもそんな口が聞けますね。
あの軍事侵攻に関して、父上は最後まで反対していました」
「それなのに、一部の野心家と強硬派が許可なく、勝手に軍を率いたのです。
我々は、彼等を止めようとしました。しかし、残念ながら間に合わなかった」
「我等は、生き残ったエルフの民に、出来るだけの援助をしたのです。
その後の生活や、手当に看護等、全力で手を尽くしました。」
「そもそも、貴方の言い分ならば、敵は私達ではなく、攻め込んだ者たちでしょう。
当事者である将軍は、既に罰せられています。現地にいた軍も、仲間割れにより自滅……」
仲間割れ?自滅した?おいおい、ちょっと待ちなさいよ。そんな偽情報、いったい誰が流したんだ。俺の武勇伝を無視だなんて、本当に心外なんですけどね。
「残念ながら、それはちょっと違いますよ。
あいつ等は、別に仲間割れしたわけでも、自滅したわけでもない」
「この俺が、全部一人で殺ったんですよ。
確かに、数万の兵士と戦うのは苦労したけど、それほど時間もかからなかったさ」
「なんなら、将軍や兵士たちの最後、それを聞かせましょうか?
大体、止めようとしたって?止められなければ、意味ないでしょうよ」
「そこの国王が非力だったから、暴走する軍を制御できず、エルフの民が殺されたんだ。
結果、結果だよ。エルフの民が殺されたと言う、結果ですよね」
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