王様殺しは考えようby勇者

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その豪快な高笑いに、なぜだか少しだけ、本当に少し好感が持てた。俺の前に出てきた王様と、放心状態の御姫様、そんでポチ君は、ただそこに突っ立っているだけさ。 「本来なら、王族は皆殺しだけどね。だけど、今回は特別に一人だけ、その命で許そうじゃないか。 まあ、覚悟は決まっているようだし、さっさとやろうよ」 「取りあえず、邪魔な君達は、違う部屋にでも行っててね。 君達に出来る事なんて、もうなにもないんだからさ」 俺の言葉に薄れる気配、翼を貫いていたランスが抜かれ、思わず一安心しましたよ。やっと、やっとの事で、ポチ君は俺の偉大さを、それを理解したんでしょう。 目を閉じながら、俺はそこに残った御姫様、それをどうしようかと考える。俺が言ったところで、彼女は絶対聞かないだろうしさ。 でも、無理やりって言うのも、紳士としてはやりたくない。御姫様が邪魔するって言うなら、仕方ないけど、紳士の仮面を脱がせてもらうか。 ただ、御姫様も殺すのは可哀想だし、全力スピードで首を跳ねようかな。それだったら早すぎて、対応出来ないだろうし理想的だ。 「取りあえず、お願いだから……って、えっ? ポチ君、そこでなにをしているのかな?」 目を開けた俺に待っていたもの、それはなんて言うか、とてつもない大事件でしたよ。混乱する俺の視線は、ポチ君の姿を捉えてる。 その雰囲気は、なんか覚悟を決めた感じで、シリアスムード全開だ。落ち着け、落ち着くんだ俺!たぶん、ポチは出口を間違えただけだよ。 だから、騎士の誇りがどうとか、騎士道がどうとか、絶対言わない筈だ。だって、さっき俺の素性を、国王様が説明したんだからさ。 騎士様ってのは、やっぱり正義に着くもんでしょ。だったら、俺の邪魔は絶対にしない、そうに決まってるよ。 .
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