知謀国家に隠された書物

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「ジョンって、一応ハイエルフなんでしょ?だったら、自然を大切にしないと、ご先祖様が泣いちゃうだろ。大体、そんなツンツンしてたら……うん、結婚は遠分先になりそうだね」 本来、ハイエルフは自然を愛し、自然と共に生きる種族なんですけどね。最近は、人間との領土争いや、種族間の争いで、その数も減っているのにさ。 なのに、このツンデレさんと言えば、どこであろうと大魔法!人が居なければ、広範囲大魔術!なにそれ?どんだけ嫌いなの?って言うレベルのツンデレさんです。 「あら?別に、結婚なんて意識してないもの。 あなたと戦うことで、私は知りたいだけよ」 いやいや、ベッドの上なら大歓迎ですよ。だけど、他の場所では辞退させてください。この変わり果てた森と、今までの経緯を思い出すだけで、お腹がいっぱいになりそうです。 基本的に、俺は可愛いor綺麗な人しか覚えていない。無論、ジョンもその例外じゃないんだけど、なんて言えばいいんだろう。取りあえず、少々バイオレンスな女性だからさ。 この欠点さえなければ、第三婦人にしても良いんだけどね。この間も、メビウスへと向かう途中で、熱烈なエールを……いや、熱烈なエルボーを受けて、酷いめに会ったばかりだし。 「あぁ、それよりも、あんたメビウスの国王殺したんでしょ? 別に私は嫌いだったから、そんなに気にしないけど、突然どうしたのよ」 だから、そのせいで罪もない城の門番や、近衛兵諸君が俺に殺さ……うん、一緒にトレーニングするはめになった。俺を素直に通してたら、あれ程の怪我人は出なかっただろうよ。 「今までなにもせず、ふらふらしてたのに、あれには驚いたわね。 理由があるのなら、正直教えて欲しいくらいよ」 あっ、ちなみに彼女は俺の正体、それをちょっと知っていたりします。まあ、ずっと俺の追っかけをしてるんだから、当然と言えば当然なのかな。 .
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