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「妾は、人間が好きなのじゃぞ!無論、妾達と彼等の関係はわかっておる。だが、それでも妾は人間が好きなのじゃ!」
「勇者と聞いたから期待しておれば、まさか主の事だとは思いもよらんかった。ただの……変態で、馬鹿な、阿呆に、勇者と言う大役が勤まるとは思えんな」
「主が助かったのなら、それはそれでよいのだ。この数年、妾が今まで生きてきた中でも、格別に楽しき時間であったぞ……」
やめろ……やめろ、やめろ!こんな悪夢なんざ見たくもないし、思い出したくもない!
俺はもう人間でもなければ、魔物ですらないんだぞ。それこそ生きているのか、死んでいるのかもわからないんだ。
「俺が過ごした永遠の時間は、結局全て無意味だったのかよ。人間が魔物と仲良く暮らす、そんな世界……ってのは、馬鹿げた話じゃねぇよな?」
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※※※※※※※
嫌な夢を見ちゃった。目を覚ませば、そこはふかふかな温かいベットの中だったよ。体にまとわりつくフェロモンが、最悪の目覚めを物語っていますね。
「……ってか、ここどこ?」
レンガ造りの部屋に、なんだかとっても高そうな家具の数々です。俺が今寝ているベットなんて、屋根付きの王族が使ってそうな奴だし。
取り敢えず、人の気配を感じ取ったから視線を向けると、そこにいたメイドさんと思わず視線が絡み合った。白を基調とした……THE!メイドと言えば、俺の目の前にいるこの人の事ですよね?
艶のある青色の髪を束ねた姿、その見た目からして幼い女性メイドさんだろう。あどけなさが残る可愛らしい青の瞳、そして低い伸長……幼女!そう、つまりは幼女なんですよ!
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