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かめの姿を眺めてから、俺は公園で一人、ボーッとしていた。
『...赤西クン??』
その声に俺は顔を上げた。
『...竜也さん。』
『こんな所で何してるの??』
『いや...。』
『隣、いい??』
『あ、はい。』
そう言うと、竜也さんは荷物を地面に置いて、座った。
『和也のこと、嫌いになった??』
『え??』
『和也に言われたんでしょ??病気だから、付き合えないって。』
『...はい。でも、諦められないんです。』
『あいつね。恋をしたくないわけじゃないんだ。』
『...。』
『好きな気持ちを伝えて、それで苦しむ姿なんて見たくないんだ。』
『...。』
『そう思って、前を向かずに立ち止まって、臆病になってるだけなんだ。』
『...。』
『さて、もうすぐ暗くなるから、気を付けて帰りなよ。』
そう言って竜也さんは荷物を持って、帰っていった。
それからすぐに、俺は家に帰った。
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