一章『気になるあの子』

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そうこうしているうちに駅に着いた。 ...と同時に電車が来る。 俺は、始発に乗り込む....... ___一つ目の駅通過___二つ目の駅通過___三つ目、四、五、六つ目の駅......来た!! ...俺の気になるあの子は、六っつ目の駅でいつも一人で乗り込む。 制服から見るに、隣の晴華高校の制服だ。 その子は、耳にイヤホンを付けて、いつも何かの本を読んでいる。 ....俺の視線は、俺の斜め前に座っているあの子に行ってしまうが、目が合いそうになるとそむける..の繰り返しである...話かけてみたいが、自分にそんな勇気はない。 ____とうとう電車は、目的の駅に着いてしまう。 今日もあの子と会えてよかった。 俺は、毎日素直にそう思う...またこれが始発に乗る楽しみでもある。 ...駅について、そんなことを思いながら自転車小屋に向かう。 俺の自転車は、そこに置いてある。 みんな、二、三人のグループを作り、自転車に乗り登校しているが、俺は、入学したてでこっちに友達もいないので、一人だ。 ___そして、高校手前のコンビニで朝食を買う。 ______7時35分咲崎南工業高校 通称(咲南) に到着する。 一年棟は、三階 二年棟は、二階 三年棟は、一階 と言うようになっており、プールは屋上に設置されている。 この工業高校には、4つの科がある...機械科、電気科、工業化学科、建築科...俺は、工業化学科だが、工業化学科は、毎週水曜日と金曜日が実習の日といって、それぞれの専門教科を学ぶ。 周りを海に囲まれた沿岸沿いの高校だ。
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