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小学校を卒業する頃にはすでにおれは今のギャランという人間に限りなく近い性格を見せるようになっていた。
常に周りの目におびえ、とにかく他人から自分がどう見られているのかが気になって仕方がなかった。
そんな自分の不安を押しつぶそうと、周りのご機嫌を必死にうかがった。
そうすることで、周りはおれが何を言っても絶対に反抗しないヤツだという意識が強く芽生える。
そうなればただでさえワガママな年頃だ。
どんどん付け上がっていく。
おれは周りからの無茶な要求にも必死に答えようとした。
自分が嫌なこと、自分ができないこと。
それを全てYESと答えてしまう。
そうすることでしか自分の居場所を作れなかった。
そんなことをしていると、次第にボロが出始める。
自分が嫌なことを無理やりにでも我慢できたとしても、自分にできないことを実現するのはさすがに無理があった。
周りからは「嘘つき」「口だけ」と厳しい言葉が浴びせられる。
この言葉に悩み苦しむ毎日だった。
だんだんと、仮病を使って学校を休むことが多くなった。
学校を狙い通り休めた時の開放感は半端なものではない。
しかし、そうやってズル休みをすると決まって次に学校に行くのが怖くなる。
学校に行けば周りからズル休みだと罵られるからだ。
逃げ場と自分が心休まる時間はまったくなかった。
なんせ休みの日に友達が何人おれを遊びに誘ってくれるかが友情を図るバロメーターだったくらいだ。
こうして、おれの小学校生活は幕を閉じる。
今でも続く様々な影響が小学校時代には凝縮されていたと思う。
そして、おれのうつ病の種はこの頃にまかれた。
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