孫悟空

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悟空は、あっという間に釈迦のもとへとたどり着いた。 釈迦とは雲の上に座す、金色に輝く巨人だ。 「おい、釈迦!俺の子分たちにチョッカイ出すなよな!」 悟空が叫ぶ。 釈迦がわははははっ!と大地にも響くような声で笑った。 「悟空よ、世界の果てまで行ける自信はあるか?」 「簡単だぜ!ちょっくら行ってくらあ!」 悟空は思い切り金斗雲で飛んだ。 光の速さだ。 やがて世界の果てまで来ると、柱があったから悟空と書いて、釈迦のもとへと帰った。 「楽勝だったぜ」 悟空が叫ぶ。 釈迦がさっと指を見せる。 悟空と書いてある。 「お前は私の手のひらからも出られなかったな」 釈迦が得意げにいう。 「カカカカカ!」 悟空が大声で笑い出す。 「な、何がおかしい?」 釈迦が冷や汗を流した。 「俺の筆跡をまねて、自分で指に書いただろう?」 「な、なぜそれを!」 悟空はにやりと笑う。 「俺様はな、こう見えても頭はいいんだぜ。 こんな子供だましで信者を洗脳して来たんだろうが、俺には通用しない!」 釈迦のオーラが暗い紫色になる。 「どうやら、本気を出さねばならないようだな!」 釈迦が結果部座(けっかふざ)を解いて、立ち上がった。
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