1人が本棚に入れています
本棚に追加
悟空は、あっという間に釈迦のもとへとたどり着いた。
釈迦とは雲の上に座す、金色に輝く巨人だ。
「おい、釈迦!俺の子分たちにチョッカイ出すなよな!」
悟空が叫ぶ。
釈迦がわははははっ!と大地にも響くような声で笑った。
「悟空よ、世界の果てまで行ける自信はあるか?」
「簡単だぜ!ちょっくら行ってくらあ!」
悟空は思い切り金斗雲で飛んだ。
光の速さだ。
やがて世界の果てまで来ると、柱があったから悟空と書いて、釈迦のもとへと帰った。
「楽勝だったぜ」
悟空が叫ぶ。
釈迦がさっと指を見せる。
悟空と書いてある。
「お前は私の手のひらからも出られなかったな」
釈迦が得意げにいう。
「カカカカカ!」
悟空が大声で笑い出す。
「な、何がおかしい?」
釈迦が冷や汗を流した。
「俺の筆跡をまねて、自分で指に書いただろう?」
「な、なぜそれを!」
悟空はにやりと笑う。
「俺様はな、こう見えても頭はいいんだぜ。
こんな子供だましで信者を洗脳して来たんだろうが、俺には通用しない!」
釈迦のオーラが暗い紫色になる。
「どうやら、本気を出さねばならないようだな!」
釈迦が結果部座(けっかふざ)を解いて、立ち上がった。
最初のコメントを投稿しよう!