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朝のホームルームが終わり、そして杉崎が教室からいなくなった瞬間、一斉にクラスの女子生徒が優斗の周りに群がってきた。
「ねえ!何でずうっと男子校にいたの!」
「メアド交換しない!?」
「はあ!?あんたは後よ!崎に私と!!」
すごい剣幕で話しかけてくるたくさんの女の子達。
男としては嬉しいことなのだろうが、優斗にとってはただ、怖いだけなのであった。
「え、えっと・・・・その・・・」
震えるのを我慢しようとするがこれ以上近づかれたらまずいと優斗は確信した。
頭の中に昔の恐怖が出てきそうになったときだった。
「こら!少しは自重しなさい!!転校生、困ってるでしょ!!」
「や、弥生ちゃん・・・」
弥生と呼ばれる女子生徒の一声で優斗に群がっていた女子生徒が離れた。
「たく・・・大丈夫?あたしはクラス委員の高盛弥生。」
「え、えっと・・・・・・あ、ありがとう・・・ございます・・・」
歯切れが悪い。
それほど怖かったのであろう。
「よろしく!」
女のだが男勝りなところがありそうな弥生は手を出した。
握手と言うことなのだろうが、優斗は触れることはもちろん、目をあわすことすらできないのだ。
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