転校!私立桜花学園

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猿轡を付けられる父。 父の後ろに聳え立つ一人の女の子。 「大丈夫?お兄ちゃん。糞親父に変なことされてない?」 彼女の名前は成宮恋華(れんげ)。優斗の一つ下の妹で優斗と似ている。 性格は優斗限定の甘い性格。それ以外には強気らしい。 実の父に「糞」とつけるほどなので優斗以外の男は眼中にないらしい。 ルックスは優斗と同じく整っていて、美少女と言える女の子。現在、女子中に通っている。 「急なことでお兄ちゃんもびっくりするよね。あたしも昨日聞かされたから、つい親父の股間を・・・じゃなかった。鳩尾に拳を入れちゃったよ♪」 「ど、どっちにしろ駄目だよ!お父さんにそんなことしたら。」 「お兄ちゃんってば、やっさしい♪」 父の方を見れば何故か股間を押さえて震えている。 ・・・・・・ご愁傷様です。そこは痛いですもんね。 「くぅ~~。優斗はこんなにお父さんに優しくしてくれるのに、何で恋華だけは・・・」 「何か言った?」 「いいや!!何も言っておらん!!だから拳をしまって!!」 恋華は何故か、渋々といった感じで拳をしまう。 お父さんを大事にしよう、と優斗は思った。 「とにかく話の続きをしようか・・・さっきまでのは半分冗談だが・・・」 「は、半分は本気なんだ・・・」 「とにかく!このままお前が男子校でい続けるのは俺は駄目だと思う。お前は小学校の頃からずっと男子校だろう・・・お前が女の子と普通に話すのは、それこそ恋華だけだろう?」 「・・・・・・それは・・・そうだけど・・・」 父に真剣な表情で言われる。 ・・・優斗は容姿端麗、頭脳明晰、と完璧に思われがちだが、一つだけ、近寄れないほど苦手な物がある。 「しょうがないよ・・・・・・僕は小さい頃から女の人が怖くてしょうがないんだ。」 女性恐怖症・・・・・・優斗はつまり女の子が苦手なのだ。 父の言うと通り、優斗は基本、恋華としか話すことはできない。
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